口腔ケアチャンネルです。今回は「ALSの人の嚥下障害の特徴」というテーマでお話しましょう。
ALSと呼ばれる筋萎縮性側索硬化症という病気は、手や足などの動かすニューロンという神経細胞が冒される病気です。この病気も嚥下障害と密接な関係があります。
ALSによる嚥下障害では、大きくわけて口腔期の障害が先行するケースと咽頭期の障害が先行するケースがあります。
口腔期の障害とは、咀嚼した食べ物を舌で咽頭にまで運ぶ動きがスムーズにできなくなることです。
そして、咽頭期の障害とは、咽頭に運ばれた食べ物を嚥下反射によって食道に嚥下する動きがスムーズにできなくなることです。
一般にALSの人は、嚥下に関連する筋肉が疲労しやすいため、疲れてくると嚥下障害がさらに悪化する傾向があります。食事の際は、ご利用者さんの疲労の状態などを観察しましょう。
ただし、ALSの人は感覚や知能が病気で冒されることはないので、横向き嚥下やうなずき嚥下などのさまざまな嚥下法を容易に習得できます。
ご利用者さんとともに、安全で負担の少ない食事法を検討するのもいいと思います。もちろん、専門家の指導にも従ってくださいね。