ケア中の誤嚥を予防するコツ
- アシスタント:田中
- 先生、どうしたんですか?
- ナビゲーター:小笠
- 本番前にコーヒーを飲み終えようと歩きながら急いで飲んだら、気管に入っちゃいました。
- アシスタント:田中
- あー、先生も誤嚥しちゃったんですね。寝たきりの方だけじゃありませんね。先生もてきとうな体勢で飲んだりしてはいけませんね。
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。じゃあ、今回は、「ケア中の誤嚥を予防するコツ」というテーマでお話ししましょう。口腔ケアを行うとき、まずは、ベッドに寝たきりであっても、できる限り上体を起こしましょう。これをギャッジアップといます。
ギャッジアップの角度は30度から45度程度で十分です。それ以上起こす必要はありません。
- アシスタント:田中
- 30度から45度ですか? ほんの少し起き上がる感じでいいんですね。
- ナビゲーター:小笠
- そうです。起き上がるのが無理なときは、横向きになってもらいます。片マヒがある場合は、健側を下にしてください。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:小笠
- ギャッジアップをしたら、枕かヘッドレストを使って頭の位置を安定させます。そのときに、顎を前に出して下向きに降ろすようにします。これを頸部前屈と言います。こうして角度をつけることで、誤嚥をしにくくなるんです。
- アシスタント:田中
- ケアをしているときは、どんなことに気をつけるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- 片マヒのある人の場合、マヒしている側からケアを行うと誤嚥の可能性が高くなりますから、まずは健側からケアをします。
- アシスタント:田中
- 健側から始めて、慣れてもらうんですね。
- ナビゲーター:小笠
- そうです。それから、ケア中は口のなかの水分をこまめに拭き取ります。もし吸引器をお持ちなら、吸引歯ブラシを使うと便利ですよ。ケアが終わったら、うがいはせずに、口腔ケアウェッティーなどで口のなかを拭き取ります。
- アシスタント:田中
- そして、最後に保湿剤を塗るんですよね。
- ナビゲーター:小笠
- そうです。
- アシスタント:田中
- わかりました。ありがとうございました。