口腔ケアチャンネルです。今回は「脳卒中の人の摂食・嚥下障害の特徴」というテーマでお話しましょう。
脳卒中の合併症として代表的なものの1つが、摂食・嚥下障害です。脳に障害を受けると、筋肉への指令がスムーズに伝わらず、さらに知覚にも障害をきたすため、摂食・嚥下障害につながりやすいのです。
脳の障害によって唇や舌、顎の筋肉の動きが低下して、食べ物を咀嚼する力や咽頭へ送り込む力が弱くなります。
さらに、首の筋肉もスムーズに連動しなくなるため、ごっくんと嚥下する力も弱くなります。
また、嚥下に関しては、咽頭の知覚が低下しているため、食べ物が通ったことを認識できずに、嚥下反射が発生しないということもよくあります。
知覚低下に関しては、気管のなかでも生じていることがあります。この場合は、誤嚥を知覚できないため、ムセのない誤嚥も起こりえます。
このように、脳卒中による摂食・嚥下障害は、さまざまな形で症状が現れるので、事前に症状を把握しておくことが非常に重要です。
摂食・嚥下障害が疑われる場合は、専門家の診療を受け、アドバイスに従いましょう。