寝たきりの人への介助時の体位の選び方
- アシスタント:田中
- 先生、寝たきりの人の口腔ケアや食事介助の場合、ご利用者さんの上体を起こして行うことが基本ですよね?
- ナビゲーター:土持
- そうですね。
- アシスタント:田中
- でも、上体を起こすといっても、その角度によって、いろいろな名前がついているんですね?
- ナビゲーター:土持
- そうですね。じゃあ、今回は「寝たきりの人への介助時の体位の選び方」というテーマでお話ししましょう。ベッドの上で上半身を起こすとき、その角度によって、それぞれに名前がつけられています。まずは、ベッドに対して直角になるまで起き上がる体位を座位といいます。
- アシスタント:田中
- イスに座っているのと同じような体勢ですね。
- ナビゲーター:土持
- そうですね。この姿勢を維持できる人はイスに座ることも可能な場合が多いので、ケアはベッドの上ではなく、イスに座って行うのがいいですね。ベッドの上でこの体勢をとってもらうのは、ご利用者さんへの負担も大きいので、あまりオススメしません。
- アシスタント:田中
- はい。では、ベッドの上でケアや介助を行うときの、理想的な体勢はどんなものですか?
- ナビゲーター:土持
- 上体を45〜60度起こす、ファーラー位が理想ですね。この体勢なら、ご利用者さんの負担も大きくありません。ここまで起こすのが難しい場合でも、15〜30度程度起こすだけで、ケアや介助は十分可能です。これをセミファーラー位と呼びます。
- アシスタント:田中
- 起き上がることが難しいご利用者さんの場合は、どうなりますか?
- ナビゲーター:土持
- 仰臥位と呼ばれるあおむけの状態から、横向きの側臥位という体勢になってもらい、まくらやクッションで頭を持ち上げます。横向きになることも難しい場合は、あおむけのまま、顔だけは横に向けてもらいましょう。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。