認知症と口腔ケア
- ナビゲーター:小笠
- 今回は「認知症と口腔ケア」というテーマでお話します。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:小笠
- 認知症とは、脳の器質的な障害によって知的機能が低下してしまう状態をいいます。その原因となる病気によって、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症というように分類されます。高齢者の急速な増加に合わせて、認知症の患者数も急激に増えています。
- アシスタント:田中
- 認知症の人は、自分で口腔ケアをできるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- 認知症の進行具合によって違いますね。はじめのうちは、歯みがきをしたかどうかを忘れる人が多いですね。ただし認知症が進行しても、長年の習慣は忘れずにいる人が多く、歯みがきは問題なくできる、というケースもあります。
- アシスタント:田中
- 自分でできる場合は、介助せずに見守る方がいいんですね?
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。ただし、認知症の人は、摂食・嚥下にも障害が生じることも多いので、誤嚥などには気をつけてください。
誤嚥性肺炎を予防するためにも、認知症の人の口腔ケアは大切なんです。しっかりみがけていないようなときは、部分的に介助してあげるのもよいと思います。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:小笠
- 認知症が進行すると、歯みがきの仕方を忘れてしまうこともあるようです。でも、こうしたことは本人にとっても、どうしようもないことなので、介護する側が「しっかりして」「気をつけて」などと言っても改善されるものではありません。
- アシスタント:田中
- できないことを要求しても、仕方がないんですね。
- ナビゲーター:小笠
- さらに、嫌がることを無理強いしてもいけませんよ。認知症の人とは、上手にコミュニケーションを図ることが、最も重要です。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。