認知症の人の中には、歯磨き粉を付けるのは分かるのに、歯みがきの仕方がわからない、ということもよくあります。 このような場合は、 歯科衛生士:二島 先生、ご利用者さんのなかには認知症の方が多くいらっしゃいますが、アルツハイマー型だけでなく、脳血管性認知症の人もいらっしゃいますね。 歯科医師:土持 そうですね。一口に認知症といっても、症状などが違いますよね。じゃあ今回は「脳血管性認知症の人の口腔ケア」というテーマでお話しします。 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などによって、脳の細胞に酸素が送られなくなり、脳の神経細胞が死んでしまうことで認知症が起こります。これが脳血管性認知症です。 歯科衛生士:二島 脳血管性認知症の人の場合は、ボーっとしている時間帯としっかりしていて通常の行動ができる時間帯があるので、口腔ケアを行うタイミングもそれに合わせるといいですよ。 歯科医師:土持 こういった症状を「まだら認知」と呼びます。脳が受けたダメージが部分的な場合は、正常に働いている部分については、何も問題が起こらないんです、時間帯だけでなく、判断力や行動などについても、できることとできないことに分かれることがあるんです。 歯科衛生士:二島 そのために、歯磨き粉を付けるのはわかるのに、歯みがきのしかたがわからない、ということもよくあります。何ができて、何ができないかを見極めることが大切ですね。 歯科医師:土持 さらに、脳血管性認知症の人の場合は、高血圧や糖尿病といった病気も併発していることが多いので、そういったことへの配慮も必要ですよ。 前の動画 介助みがきでは歯ブラシを短く持って 次の動画 舌掃除はスポンジブラシで行う?