ケアのときは「清潔域」「不潔域」を意識する
- ナビゲーター:土持
- 今回は『ケアのときは「清潔域」「不潔域」を意識する』というテーマでお話します。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:土持
- 複数のご利用者さんの口腔ケアを行うときは「清潔域」と「不潔域」ということを意識する必要があります。清潔域というのは、微生物などが存在していないエリアを指します。具体的には、清掃をする前の清潔なケア用具を置いてある範囲です。不潔域とは、微生物などが、存在しているエリア。具体的には、ケアに使用した用具や、それらが触れたり置かれたりしている範囲です。
- アシスタント:田中
- 一般的な清潔、不潔というのとは、ちょっと違うんですね?
- ナビゲーター:土持
- そうです。ケアをするご利用者さんが汚れているとか、キレイじゃない、という意味ではないんです。ウイルスや細菌などによる感染症を予防するために必要な線引きなんですよ。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:土持
- 感染予防のためには、一度不潔域になったものを、清潔域に入れてはいけません。そのために、口腔ケアに使用するケア用具は、ケアの前にすべて手元に準備しておくことが大切です。
- アシスタント:田中
- なぜですか?
- ナビゲーター:土持
- ケアを始めるまでは、ケア用品は清潔域ですが、ケアを始めてしまうと、ほとんどのケア用具が不潔域になります。このときに、準備し忘れていた用具を取りに、ほかのご利用者さんのケア用品などがまとまっているところに行って、ケアを行っていたグローブで触れたりすると、その場所も不潔域になってしまうのです。こうしたことで、ほかのご利用者さんになんらかの感染が起こるかもしれませんからね。
- アシスタント:田中
- 清潔な用具が清潔に保管されている場所に、菌や微生物が付着している状態で侵入したり触れたりするのは、とっても危険なんですね?
- ナビゲーター:土持
- そうですね。清潔域・不潔域という考え方は、ケアのときにグローブやマスクを着用するのと同じように、重要な感染予防の考え方ですから、しっかり覚えておいてください。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。