口の汚れが全身の健康状態を左右する
- ナビゲーター:小笠
- 今回は、「口の汚れが全身の健康状態を左右する」というテーマでお話しします。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:小笠
- 最近になって、だいぶ認識が変わってきましたが、かつては口の汚れで死ぬことはないと思われていて、高齢者の口腔ケアは二の次になりがちでした。
- アシスタント:田中
- ご家族や介護職の方は、ほかにもやらなくてはいけないことがたくさんあって、とても忙しいですからね~。
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。でも、口のトラブルは放っておくと、全身の健康状態や生活全般に影響を及ぼしてしまうんです。
- アシスタント:田中
- お口のトラブルと全身の健康状態は、どんな関係にあるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- まずは人の口の中のことから説明しましょう。人の口の中は、37度前後に温度が保たれていて、唾液による湿度と、食べかすによる栄養があります。細菌にとっては、温度・湿度・栄養の3つの条件がそろった、繁殖に最適な環境なんです。
- アシスタント:田中
- ええ~、あんまり想像したくないですね~。
- ナビゲーター:小笠
- 成人の口の中には、300種類以上の細菌が生息していて、歯に付着した歯垢1ミリグラムには、なんと1億個以上の細菌がいるんです。こういった細菌は、口腔ケアをしっかりしていないと、爆発的に増殖して全身の健康状態にまで悪影響を及ぼすんです。
- アシスタント:田中
- どんな悪影響があるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- まずは、誤嚥性肺炎です。唾液と混ざった口の中の細菌が、嚥下障害などによる誤嚥で気管から肺に入ることで起こります。そして、全身のさまざまな病気の原因になっているのが、歯周病です。歯周病は、歯を支える歯周組織が細菌に侵される病気です。この細菌が、血管を通して全身に送られることで、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化を起こす確率が高くなる、という説があります。
- アシスタント:田中
- 怖いですね~。
- ナビゲーター:小笠
- そうでなんです。口の中のことだからと、後回しにしていると、生命の危険にさらされるような病気を、引き起こしてしまいかねないんです。
- アシスタント:田中
- そう考えると、お口の汚れは放っておいてはいけませんね!
- ナビゲーター:小笠
- はい。そのためには、口腔ケアでしっかりと口の中をきれいに保つ、ということです。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。