- アシスタント:田中
- 先生、食事介助をしているときに、ご利用者さんがいきなりむせるとビックリして、慌ててしまうと思うんですが、そんなときはどうすればいいんでしょう?
- ナビゲーター:小笠
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そうですね。間違った介助をしてしまったんじゃないか、と思って慌ててしまうこともあるかもしれないですね。じゃあ、今回は「食事中にむせたときの対応法」というテーマでお話ししましょう。
食事中にむせることは、摂食・嚥下障害のない人でも起こることです。むせは、誤嚥を防ぐ体の反応でもありますから、それ自体が悪いことではありません。
- アシスタント:田中
- じゃあ、食事を中止したりする必要はないんですか?
- ナビゲーター:小笠
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むせたあとに、呼吸が落ち着いているなら、そのまま食事を続けても大丈夫です。ただし、呼吸が乱れていたり、顔色が変わっていたりするようなら、食事を中止して経過を観察しましょう。
- アシスタント:田中
- むせている最中に、何かしてあげられることはないんでしょうか?
- ナビゲーター:小笠
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むせたときに背中を叩く人もいますが、背中を叩くことで気管に落ちそうになっている食べ物をさらに下に落としてしまう可能性もあります。
むせているときは、背中を叩くのではなく、優しくさすってあげながら、声をかけるのがいいと思いますよ。
- アシスタント:田中
- なんて声をかけるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- むせてしまったときは、ご利用者さん本人も慌ててしまいます。だから、「大丈夫ですよ。ゆっくり、大きくせきをしましょうね」というように声をかけて、安心させてあげましょう。周囲を気にして、無理にむせを止めようとする人もいますが、そんなときは「遠慮せずに、しっかりとむせてください」というように声をかけてあげてもいいでしょう。
- アシスタント:田中
- 介助している側が慌てない、というのが重要なんですね。
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。むせを過剰に恐がる必要はありませんよ。
- アシスタント:田中
- わかりました。ありがとうございました。