プッシング・プリング訓練
- ナビゲーター:小笠
- 田中さん、手伝いましょう?
- アシスタント:田中
- あ、先生、お願いします。備品の片付けをしているんです。ヨイッショ…
- ナビゲーター:小笠
- あ、結構重いですね。エイッ…。これは、のどの訓練にもなりますから、ちょうどいいですね(笑)。
- アシスタント:田中
- え、そうなんですか?
- ナビゲーター:小笠
- スムーズに嚥下するためには、ものを飲み込む、のどの力も必要なんですよ。嚥下機能の訓練としては、のどの体操も重要なんです。
じゃあ、今回は「プッシング・プリング訓練」というテーマでお話ししましょう。
プッシング・プリング訓練は、のどの器官をしっかりと閉じるためのトレーニングです。のどをしっかりと閉じることができないと、気管に食べ物が侵入して、誤嚥を起こしてしまうんです。
- アシスタント:田中
- さっきみたいに、重たい荷物を持ってやるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- いえいえ。重いものを持たなくてもできますよ。壁に向かって立ったままで、できます。壁を両手で強く押しながら、「エイッ」っと力強く声を出してください。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:小笠
- これだけじゃツマラナイということで、この動きを元にした「ハッケヨイ・ヤー」というゲームがあるんです。
二人でイスに向かい合ってイスに座り、胸の前で両手をつかみ合います。「ハッケヨイ」と大きくかけ声をかけて、お互いに「ヤー」と声を出しながら押し合いましょう。
- アシスタント:田中
- これなら2人で楽しくできますね! じゃあ、プリング訓練は、どうやるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- プッシングは押すで、プリングは引くですから、動きが逆になるんです。プリング訓練では、イスの座面の下に手をかけて、下から上に持ち上げるようにして「エイッ」っと力強く声を出してください。
押す動作に制限がある場合などは、このプリング訓練をするといいですよ。
- アシスタント:田中
- わかりました。ありがとうございました。