摂食・嚥下の口腔期ってなに?
- アシスタント:田中
- 先生、モグモグして食事に時間がかかる高齢者の方がいらっしゃいますが、そんな方も嚥下障害なんですか?
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。嚥下障害は飲み込んだ時にむせるだけでなく、飲み込むこと自体がスムーズにできないということもあるんです。今回は「摂食・嚥下の口腔期ってなに?」というテーマでお話しましょう。
摂食・嚥下の5期のうちの3番目が口腔期です。
- アシスタント:田中
- どんな動作が当てはまるんですか?
- ナビゲーター:小笠
- 摂食・嚥下の準備期の動作は、食べ物を噛み砕いて、飲み込みやすい塊にするまででした。口腔期の動作は、飲み込みやすい塊になった食べ物を舌が口からのどに送り込むまでです。
- アシスタント:田中
- この動作をうまくできないといつまでもモグモグしていることになるんですね。
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。さらにモグモグしている最中にむせたり、食べ物を何とか飲み込もうと上を向いたりもします。こういった問題が見られるときは、口腔期に問題のある嚥下障害を疑います。
- アシスタント:田中
- 口腔期って食べ物をゴックンって飲み込む段階ではないんですか?
- ナビゲーター:小笠
- ゴックンと飲み込む動作の最初の段階です。この後に続く4期、5期で飲み込みが完了するんです。
- アシスタント:田中
- そうなんですか。食べ物が口からのどに移った段階で、飲み込みが完了したように感じますけど。
- ナビゲーター:小笠
- そう感じるのは、その後の動作が自分でコントロールできないものになるからですよ。今回の口腔期までは自分でコントロールできる動作なんです。
- アシスタント:田中
- わかりました。ありがとうございました。