スポンジブラシでの粘膜清掃は必要ですか?
- アシスタント:田中
- 先生、最近ドラッグストアで、こんなカラフルなものを見かけたんです。介護用品のコーナーにあったんですが、何に使うんですか?
- ナビゲーター:小笠
- これは、寝たきりや片マヒ、嚥下障害がある方の、お口の粘膜清掃に使うスポンジブラシですね。では今回は、「粘膜清掃は必要ですか?」というテーマでお話ししましょう。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:小笠
- 口のなかは粘膜におおわれています。歯肉や上あごは、やや硬めの粘膜で、くちびるやほお、舌の裏側などは、やわらかい粘膜です。こういった部分も、歯と同じように食べかすや細菌、剥離状皮膜と呼ばれる、口の粘膜がはがれたものなどの汚れがつくんです。
- アシスタント:田中
- そうなんですか! これまで粘膜の掃除って、したことありませんでした。
- ナビゲーター:小笠
- 通常は、食事や会話のときの舌やほおの動きや、唾液の分泌によって、汚れが洗い流されています。でも、寝たきりでうがいができない方、片マヒや嚥下障害のある方は、粘膜の汚れが取れにくくなっているんです。
- アシスタント:田中
- そうなんですね~。
- ナビゲーター:小笠
- 特に入れ歯を使っている人は、入れ歯が当たっている歯ぐきや、上あごの粘膜などに、細菌が繁殖しがちです。放っておくと、口内炎などの原因になりますよ。入れ歯の手入れをするときは、同時に自分の口の粘膜もきれいにしなくてはいけないんです。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:小笠
- 粘膜清掃をすることで、口内炎はもちろん、細菌が原因の誤嚥性肺炎を予防でき、唾液の分泌も促進されます。味覚などが衰えている方も、粘膜清掃で、感覚がよみがえることがあるんです。
- アシスタント:田中
- そして、粘膜清掃で使うのが、このスポンジブラシなんですね?
- ナビゲーター:小笠
- そうです。口の粘膜はやわらかくて傷つきやすいので、このようにスポンジでできたブラシを使うんです。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございます。