口元が強ばっている認知症の人への開口術
- アシスタント:田中
- 先生、認知症でなかなか口を開けてくれない人の開口術って、いろいろとあると思うんですけど、認知症に加えて口元もすっかり強ばってしまっている人の場合、どうすればいいんでしょうか?
- ナビゲーター:土持
- そうですね。特に噛みしめが強いというわけではないけど、口元がすっかり強ばってしまっていて、口腔ケアの呼びかけにも、なかなか反応してくれない人はいますよね。じゃあ、今回は「口元が強ばっている認知症の人への開口術」というテーマでお話ししましょう。
- ナビゲーター:土持
- 認知症で、こちらの呼びかけになかなか反応してくれない人に対しても、最初の声かけを怠ってはいけません。まずは「口腔ケアを始めますね」というように話しかけます。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:土持
- 次に、ご利用者さんの右横に立って、左腕を頭の後ろから回して、頭部を支えるような体勢を取ります。そして、右手でご利用者さんの唇にそっと触れて、まずは口唇のマッサージを行いましょう。人差し指を唇に当てて、クルクルと回しながら唇全体をマッサージします。
- ナビゲーター:土持
- こうすると、口元の緊張が徐々にとけてきますから、人差し指をやさしく、口のなかに入れましょう。唇が開いたら、左手の親指と人差し指で、ご利用者さんの上下の唇を開き、右手に持った歯ブラシで素早くブラッシングします。ブラッシングをしているうちに、徐々に歯の食いしばりも解けてきますから、素早く内側をブラッシングしましょう。
- アシスタント:田中
- はい。歯の食いしばりがなかなかとけない人の場合は、どうすればいいんですか?
- ナビゲーター:土持
- そんなときは、人差し指でご利用者さんの奥歯の奥を刺激しましょう。Kポイントと呼ばれる部分で、ここを刺激すると、口が開くようになるんですよ。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。