専門的口腔ケアに影響を与える全身の疾患
- アシスタント:田中
- 先生、訪問歯科診療を依頼するときは、ご利用者さんの全身の状態を事前に伝える必要があると思いますが、どこからどこまで伝えればいいか迷ってしまう、という声をよく聞きます。
- ナビゲーター:土持
- そうですね。高齢になると、複数の不調や病気を抱えていることも多いので、困ってしまう人はいらっしゃるでしょうね。基本的には、取捨選択することなく、すべての病気を伝えていただけばいいのですが、なかでも口腔ケアへの影響が大きいため、必ず伝えていただきたい病気があります。じゃあ、今回は「専門的口腔ケアに影響を与える全身の疾患」というテーマでお話ししましょう。
- ナビゲーター:土持
- 専門的な口腔ケアに影響を与える疾患として、代表的なのが、高血圧や心筋梗塞などの循環器の疾患、そして脳梗塞や脳出血の脳血管疾患です。こういった病気の人は、服用している薬を事前に確認して口腔ケアの内容を判断する必要があるのです。
- アシスタント:田中
- 服用している薬によっては、歯科の治療内容を変更する必要があるんですね?
- ナビゲーター:土持
- そうです。さらに、腎不全や肝硬変といった腎臓病や肝臓病、そしてHIVなどの血液疾患がある場合も、必ず知らせてください。この病気の人は、出血しやすい傾向があり、感染リスクに対する備えも必要になるからです。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:土持
- また、糖尿病や誤嚥性肺炎などは、口腔状態と密接に関係があるため、疾患の治療と口腔ケアが連携することで大きな効果を上げられます。
- アシスタント:田中
- 認知症の人はどうでしょうか?
- ナビゲーター:土持
- 認知症の人の場合は、口腔ケアのやり方や進め方に配慮する必要があります。認知症の人も事前にお知らせくだささい。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。