サブスタンスPと唐辛子
- ナビゲーター:小笠
- 今回は「サブスタンスPと唐辛子」というテーマでお話します。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:小笠
- サブスタンスPというのは、ちょっと難しい言葉ですが、嚥下反射を促す神経伝達物質の名前なんです。食べ物を飲み込むときの刺激で、脳からサブスタンスPが放出されて、その結果、嚥下反射が起こるんです。
- アシスタント:田中
- スムーズにごっくんと飲み込めるのは、このサブスタンスPのおかげなんですね?
- ナビゲーター:小笠
- そうなんです。しかし、このサブスタンスPは加齢による影響や脳血管障害、パーキンソン病などによって、分泌が低下してしまうんです。
- アシスタント:田中
- そうなると、スムーズに嚥下できなくなりますよね?
- ナビゲーター:小笠
- そうですね。誤嚥を起こしやすくなり、誤嚥性肺炎を発症する可能性も高くなります。さらに、サブスタンスPはアルツハイマー型認知症を引き起こす物質を分解する働きもあるんです、だから、分泌が低下するとアルツハイマー型認知症になりやすくなるとも言われています。
- アシスタント:田中
- サブスタンスPの分泌低下を防ぐ方法はないんですか?
- ナビゲーター:小笠
- サブスタンスPの分泌を上昇させるものとしては、高血圧の薬の1つのACE阻害剤が知られています。また、トウガラシなどに含まれるカプサイシンにもサブスタンPの分泌を活発にする効果があると言われています。トウガラシを使った多少刺激のある料理を食べるのもよいでしょう。
- アシスタント:田中
- はい。
- ナビゲーター:小笠
- ただし、カプサイシンは大量に取り過ぎると体によくありませんから、少しずつ摂取しましょう。また、呼吸器や気管支、消化器に病気を持っている人は、唐辛子の摂取は控えた方がいいかもしれません。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。