口腔ケアの“3つのケア”って何?
- ナビゲーター:小笠
- 今回は、「口腔ケアの“3つのケア”って何?」というテーマでお話しします。
- アシスタント:田中
- よろしくお願いします。
- ナビゲーター:小笠
- 訪問診療で口腔ケアの指導をしているときに、よく質問されるのが「口腔ケアなら、患者さん自身や介護職でできるんじゃないですか?」ということです。
- アシスタント:田中
- たしかに、歯磨きとか、入れ歯の手入れとかなら、自分たちでできると思いますよね~。
- ナビゲーター:小笠
- 歯磨きや入れ歯の手入れなら、そうですね。でも、訪問診療で行う口腔ケアは、「食べられる口を作るためのケア」なんです。
- アシスタント:田中
- それって、どういうことですか?
- ナビゲーター:小笠
- 一言で口腔ケアと言いますが、実は大きく3つのケアにわけられるんです。1つが、患者さんがご自身で歯磨きなどを行う「セルフケア」。2つ目が、介護者が患者さんの歯磨きなどを行う「介助ケア」。そして3つ目が、「専門的口腔のケア」です。3つ目だけ、「口腔ケア」ではなく「口腔のケア」となっています。
- アシスタント:田中
- 「専門的口腔のケア」ですか?
- ナビゲーター:小笠
- そうです。歯科医師や歯科衛生士が行う口腔ケアは、この「専門的口腔のケア」なんです。専門的口腔のケアは、このような3つの概念から成り立っています。1つが「口腔状態の衛生を保つこと」。2つ目が「口腔内の環境をいい状態で保つこと」。3つ目が「口腔の機能を保ち、向上させること」。この3点からアプローチしていくわけです。
- アシスタント:田中
- セルフケアや介助ケアとは、どう違うんですか?
- ナビゲーター:小笠
- 歯磨きや入れ歯の手入れを行う、セルフケアや介助ケアでやっていることは、「口腔状態の衛生を保つこと」だけです。でも、専門的口腔のケアでは、口腔内の環境を整備して、機能を維持・向上させることができるんです。ここが違いですね。
- アシスタント:田中
- 口腔状態の衛生を保つことと、口腔内の環境を保つことは、どう違うんですか?
- ナビゲーター:小笠
- たしかに、似たようなイメージですよね。衛生を保つことは、歯磨きや入れ歯の手入れで、口腔内の環境を保つことは、口の中の細菌数をコントロールしたり、唾液の分泌を促進したりすることです。
- アシスタント:田中
- そうなんですね。食べられる口を作るためには、セルフケアや介助ケアだけではフォローしきれない部分があるんですね。
- ナビゲーター:小笠
- そうです。そのためにあるのが、歯科医師や歯科衛生士といったプロが行う「専門的口腔のケア」なんです。
- アシスタント:田中
- よくわかりました。ありがとうございました。