飲み込むときに重要な働きをする筋肉
摂食嚥下機能は加齢によって衰えてくる、とよく言われます。
「衰え」とはそれぞれの動作の連携がうまくいかなくなる、という意味もありますが、多くは摂食嚥下にかかわる筋力の衰えです。
ゴックンと飲み込む「嚥下」のときに、重要な働きをする筋肉の1つが、舌骨と下顎の骨をつなぐ舌骨上筋です。
この筋肉がしっかりと働くことで、食道の入り口が大きく開いて、安全にゴックンと嚥下することができるのです。
嚥下機能を維持・改善するために、この筋肉を鍛えましょう!
口を開けるだけで筋力アップ!?
舌骨上筋のトレーニング法はとっても簡単です。
思いっきり口を開けるだけ!
これを開口訓練というのです。
ただし、顎関節症など顎の関節に不安のある人は、この訓練を行うことで症状を悪化させる危険がありますから、控えてください。
では、開口訓練のやり方を説明しましょう。
まずは、思いっきり口を大きく開きます。
このときに顎の下、のどの部分の筋肉がぎゅっと収縮していることがわかると思います。
まさに、そこが舌骨上筋です。
舌骨上筋が収縮していることを意識しながら、10秒間、口を開け続けます。
次に、口を閉じて10秒休憩します。
これを5回くり返しましょう。
この開口訓練を1日に2回行います。
1ヵ月ほど続けていると、舌骨上筋の筋力アップによって嚥下がスムーズになってきます。