唇を閉じるのが難しい
口腔ケア介助を行うときに苦労するのが、口を開けてくれない人、口を開けられない人、口を開け続けるのが難しい人です。
そのために、口腔ケア介助では開口術などの開口方法が注目されがちです。
一方で、口を閉じられない、唇を閉じられない人もいらっしゃいます。こうした方の口腔ケア介助も、開口が難しい人と同じように困難な点が多くあります。
でも、唇を閉じられない人は、口腔機能訓練によって状態が改善されることもあります。
その口腔機能訓練とは、バンゲード法という唇の訓練法です。
ご利用者さんにバンゲード法を行う
ご利用者さんにバンゲード法を行うときのやり方を説明しましょう。
まずは上下の唇を左、真ん中、右と3等分します。
それぞれの部分を人差し指と親指で、ゆっくりと厚くつまみます。
上唇の左、真ん中、右、下唇の左、真ん中、右で同じように行います。
次に人差し指を唇の裏側に入れて、外側から親指ではさむようにして膨らませるようにマッサージします。
上唇の左、真ん中、右、下唇の左、真ん中、右で同じように行います。
次に人差し指を上唇に当てて、鼻の方向に向かって押し上げます。
下唇にも人差し指を当てて、あごの方向に向かって押し下げます。
そして今度は、逆に上唇をあごの方向に向かって押し下げ、下唇を鼻の方向に向かって押し上げます。
最後に、あごの部分を人差し指でトントントンと軽く叩きながらマッサージをします。
バンゲード法で唇をしっかりと閉じられるようになれば、口腔ケアのときにはブクブクうがいができるようになります。
さらに、食事のときの食べこぼしもなくなりますね。