ご利用者さんの顔の向きは?
寝たきりの人への口腔ケアはどうなるのでしょうか?
寝たきりであっても、上体を起こすことができる人の場合は、通常の口腔ケアとそれほど大きな違いはありません。
でも、上体を起こすことのできない人の介助みがきには、ちょっとしたコツが必要です。
順番に説明してきましょう。
歯みがきを始める前に、まずは顔の向きを整えます。
上を向いたままでは誤嚥してしまいますから、顔は横を向いてもらいます。
体勢は仰向けのままで構わないので、顔だけは横向きにしてもらいます。
口腔ケア中に上を向いてしまうと誤嚥してしまう危険があります。
顔の向きが変わってしまわないように、クッションや枕で頭の位置を安定させます。
介助者の顔の向きは?
次に歯みがきを始めます。
寝たきりの人の場合、座ってケアを行う場合とは顔の向きが違います。
介助する人がいつもの姿勢でいると、上手にみがくことができません。
そこで、寝たきりの人の介助みがきでは、介助する人も寝たきりの人と同じように顔を横にして行いましょう。
こうすれば、歯みがきのときのブラッシングの角度もぴったり合います。
さらに、目線が一緒になることで、ご利用者さんの安心感も増します。
なお、寝たきり人の場合は、まくらと接している側の歯列はうまくみがけません。
片側の介助みがきができたら、顔の向きを逆にして、もう片方の介助みがきを行いましょう。