口を開けることはできるけど、なかなか開けてくれない
口腔ケアを行うときに、もっとも頭を悩ませるのがご利用者さんの開口問題。
なかなか口を開けてくれない方、いらっしゃいますよね。
そんなときはどうすればよいのでしょうか?
口を開けてくれない原因によって、その対処法は違ってきます。
例えば、「口を開けることができるのに、口を開けてくれない人」がいらっしゃいます。
認知症の人などによく見られるケースです。
こういったケースでは、まずは相手にしっかりと理解してもらうことが大切です。
これから口腔ケアを行いますよと、わかりやすく伝えるのです。
例えば、手鏡にご利用者さんの口元を映して、そこを見てもらいます。
こうすることによって、ご利用者さんの意識が口元に向かい、「これから口腔ケアをするんだな」と理解してもらえるのです。
言葉だけでなく五感に訴える!
認知症の人とのやり取りでは言葉だけではなく、五感に訴えるのがポイントです。
例えば、「歯みがきしましょうね」と言うだけでなく、歯ブラシを持ち上げて歯みがきのジェスチャーをしながら声をかけると伝わりやすくなります。
口腔ケアがあまり好きでない人には、伝え方を工夫する必要もあります。
歯みがきのためには口を開けてくれないけど、おいしいものなら口を開けてくれる、という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方には、その日使用する甘い香りの保湿剤などを鼻に近づけて、その香りを感じてもらうのです。
するとご利用者さんは、「おやつや食事の時間かな?」と思ってもらえます。
こうなると口が開きやすくなるはずです。
もちろん、どのような方法でも、ご利用者さんの口を無理にこじ開けたりしてはいけませんよ。