嚥下反射がなかなか起こらない
嚥下機能が衰えてきた人は、口腔リハビリや口腔機能訓練などを行うことで、機能の回復や維持が期待できます。
口のなかに食べ物や飲み物が入っていない状態で唾液を飲み込むことを、空嚥下といいます。この空嚥下自体が、実は有効な口腔機能訓練になるのです。
でも嚥下反射がなかなか起こらず、訓練としての空嚥下を実施できない人がいます。
例えば、嚥下反射がなかなか起こらない方。
または、唾液の分泌量が低下しているドライマウスの方。
こうした人にピッタリなのが、氷なめ訓練です。
小さな氷を口に含んで行う
氷なめ訓練は、小さな氷を用意して行います。
小さめの氷を口に含んでもらって、とけてきた水を飲み込んでもらうのです。
これなら嚥下反射が起こりにくい人でも、氷の冷たさが刺激になって嚥下反射が誘発されるのです。
さらに、唾液の分泌の少ないドライマウスの人でも、嚥下の訓練ができます。
訓練中に氷を誤飲しないように一工夫
小さめの氷であっても、まだ十分に溶けきっていないものを誤飲してしまうのは危険です。
訓練中に誤って氷を飲み込んでしまわないように、ガーゼなどで氷を包んでフロスや糸で縛っておきましょう。これを介助者が持っておくと安全です。
または、お茶パックなどを活用するのもよいでしょう。
100円ショップなどで簡単に入手できるし、使い捨てにもできるので衛生的です。
氷が十分に溶けて小さくなったら、パックなどから取り出して、そのまま飲み込んでもらっても大丈夫です。
氷がなくなったら訓練終了です。