痰がたまりやすくなるのは?
ご高齢になってくると、痰が絡みやすくなります。
これは、加齢によって飲み込む力やセキ払いをする力が衰えてしまうために、気道に食べ物や飲み物の残留物が溜まってしまうからなのです。
痰が絡んだときは、セキ払いで喀出しましょう。
でも、その筋力がない人は大変です。
痰が絡んだ状態が続くのって、結構つらいんですよね。
そのようなときは、スムーズに痰を出せるよう介助してあげましょう。
手をおわんの形にして行う
痰が出しにくい人への介助法としてよく知られているのが、タッピングです。
タッピングとは、ご利用者さんが痰を出そうとセキ払いをしたタイミングで、背中や胸に振動を与えて、痰がスムーズに排出できるように補助する動きのことです。
手のひらでご利用者さんの背中や胸に振動を与えるのですが、単純に手で叩けばよい、というわけではありません。
ポイントは手のひらの形です。
指をそろえて、手のひらの中央部をくぼめて、おわんのような形にします。
こうすることで、ご利用者さんに与える衝撃を和らげるのです。ご利用者さんに痛い思いをさせることも少なくなります。
実際に自分に試してみてください。全然痛くないはずです。
そしてセキのタイミングに合わせて、力を入れずにリズミカルに叩きましょう。
叩く場所は?
タッピングで叩く場所は、痰が絡んでいる場所です。
ご利用者さんの訴えを聞いて、その部分を叩いてあげるようにします。
でも、どの辺に絡んでいるのかわからない場合もあります。
さらに、認知症などでご本人が意思表示をするのが困難な場合もあるでしょう。
そんなときは背中や胸に耳を近づけて、「ヒューヒュー」と音がする辺りを探しましょう。
この音のする場所で痰が絡んでいるのです。
音のする辺りを、セキのタイミングに合わせてタッピングしましょう。