介護の現場ではよく聞く話
口腔ケアをいやがって暴れる人がいます。押さえつけてでも行った方がいいのでしょうか?
介護の現場ではよく聞く話です。
対応されている方は、いろいろと悩んでいらっしゃるでしょう。
認知症など意思疎通が困難な方の場合、口腔ケアを嫌がって暴れてしまうことがあります。
このような場合は、押さえつけるなどして、無理に口腔ケアを行ってはいけません。
仮に、そのときはなんとかケアを行えたとしても、先のことを考えると、まったく喜べません。
押さえつけられてケアを受けた方は、その後も決して口腔ケアを好きにはならないでしょう。
だから、口腔ケアでは無理強いは禁物です。
いつまでたっても口腔ケアはできない?
でもそれでは、拒絶され続けると、いつまでたっても口腔ケアができませんよね? という声もあるでしょう。もっともな疑問です。
口腔ケアの拒否があるときは、まずはその方が拒否をする理由を探ってみましょう。
例えば、いきなり口に触られるのが嫌で、口腔ケアを拒否しているのかもしれません。
そんな方に対しては、まずは手に触れるなどして、触られることに慣れてもらうのがいいと思います。
最初は口腔ケアを行わず、手のマッサージだけで終わります。
次の日には肩のマッサージをしてあげます。
そして、3日目に初めて口もとに触れてみる、というように徐々にスキンシップになれてもらうのです。
もしくは、自分がケアされているところを、人に見られるのが嫌で、口腔ケアを拒否しているのかもしれません。
そんなときは、仕切りを使うなどして、ほかの人に見えないようにしてあげると、口腔ケアをスムーズに受けてくれることがあります。
このように口腔ケアを嫌がる方には、遠回りを厭わずに、段階を踏んで受け入れてもらうようにするのが大切です。