口を開けてくれない人のタイプ
歯みがき介助などの口腔ケアを行うときに困ってしまうのが、「口を開けてくれない」人です。
一口に口を開けてくれない人といっても、さまざまなタイプがあります。
口の周りの筋肉だけでなく、表情筋などの顔全体の筋肉が強ばってしまっている人などは、歯の噛みしめも強くなっています。
噛みしめが強くなっているために、なかなか口を開けてくれないという人もいらっしゃいます。
このような方への歯みがき介助術を紹介しましょう。
手を“チョキの形”にして行う!
歯をぐいっと食いしばって、なかなか口を開けてくれないような方でも、唇を少し開けられるなら、歯みがきはできます。
ポイントは歯ブラシを持ってない方の手を、“チョキの形”にすること。
チョキにした手の人差し指と中指を、ご利用者さんの奥歯の歯ぐきに当てます。
そして、そのチョキの手をゆっくりと下に押し下げます。
こうすると食いしばっている力が少しずつ抜けて、徐々に口が開いてきます。
このタイミングで歯ブラシを口のなかに入れて、ほほの側からブラッシングを始めます。
ブラッシングをしている間にも、もう少し口が開いてくるはずです。
噛みしめがゆるんで上下の歯に空間ができたら、素早く歯ブラシを入れて歯の裏側をみがきましょう。
この場合は1本1本丁寧にみがくのではなく、スピーディーにブラッシングするのがコツです。
この方法は、口を下に押し下げるときに、ご利用者さんが痛みを感じることもあります。あまり力を入れ過ぎないように注意してください。