食べられないのではなく、食べようとしてくれない

ご家族やご利用者さんへの食事介助のときに、困ってしまうケースの代表が「食べ物を口もとに運んでも自分から食べようとしない」というものです。

歯みがきのときに口を開けてくれないというのも困りますが、食事介助のときに食べようとしてくれないとういのも、同じくらいの難問です。

こうしたケースでは、いくつかの原因が考えられます。
例えば、食事の好みが合わない、睡眠が十分に取れていない、食事以外のことに意識が向いている、体調不良で食欲がない、などです。

それぞれの原因によって、対応の仕方も異なってきますが、食事介助時にできる主な工夫を紹介しましょう。

何が好物?どうしたいと思っている?

まずは、楽に食べられるような工夫をします。
いきなり固形物を口に運んでも、食欲がなかったりすると食べる気にならないでしょう。
そんなときは、取りやすい水分や汁物から口に運んであげましょう。

また、好物があるなら、それから食べ始めてみましょう。

もしかしたら、介助されて食べるのではなく、自分の手で食べたいのかもしれません。
そんなときはおにぎりやパンなど、手でつかんで食べられるものを用意するのもいいですね。

食事をする環境のせいで食欲が出ない、ということもありえます。
そんなときはテーブルの向きを変えてみましょう。外の景色が見える窓側に向けてみると有効かもしれません。

そして最後に基本中の基本。
なかなか食べてくれないからといって、「さっさと食べてください」などと急かしたりするのはやめましょう。
ご利用者さんの気持ちが焦ってしまうし、食欲もますますなくなってしまいます。
なにより、誤嚥などの事故につながりかねません。

食事介助は、ご利用者さんの気持ちに寄り添って行いましょう。

口腔ケアチャンネル動画で確認しましょう